Claude Code でバックオフィス業務を激楽にする
SaaS 領収書回収・freee 仕訳・請求書発行・入金突合・借入管理・出張旅費規程まで、法人のバックオフィス業務を 1つの Git リポジトリ に集約し、Claude Code × freee MCP で月次作業を 1/10 に圧縮する設計図。
個人事業主・法人ほどバックオフィス業務は多い。SaaS の領収書集め、カード明細との突合、取引先への請求書発行、入金突合、freee の仕訳、出張旅費規程、信用金庫・日本政策金融公庫からの借入管理、決算期に税理士へ渡す資料……。
これらを back-office 専用 Git リポジトリ に集約し、Claude Code と freee MCP サーバーを組み合わせれば、月次のバックオフィス業務はほぼ自動化できる。本記事はその構成を、Lecture 形式で順番に解説する。
SaaS 一覧・領収書取得手順・仕訳ルール・自動化スクリプト・未来の自分への申し送りメモを 1つの Git リポジトリに全部入れる。Claude Code から参照しやすく、バージョン管理もでき、private repo なら情報漏洩リスクも最小化できる。
最初は「freee に全部入れておけばいい」と思いがちだが、運用してみると freee だけでは足りないことが多い。
- →領収書の取得手順をメモしておかないと、毎月「Slack の領収書ってどこからダウンロードするんだっけ?」となる
- →SaaS ごとのアカウントとメールアドレスの対応を忘れる(どの Google アカウントでログインするんだっけ問題)
- →仕訳ルール(この支出は支払手数料?通信費?)を毎回考え直すのがもったいない
- →出張旅費規程の Excel や日本政策金融公庫の返済予定表のような書類の置き場が欲しい
- →未来の自分への申し送りメモを残す場所が欲しい
→ 毎月同じ調べ物を繰り返す
「freee に入れるにはノイズ」「Notion に入れるにはコード寄り」という 中間にある情報 を、Git リポジトリに全部入れる。これが back-office リポジトリ発想の起点。
当初は docs/freee/receipt_guides/ にサービスごとの md を置いていたが、運用するうちに 「手順書だけでは足りない、プロンプトもスクリプトも一緒に管理したい」 となり、scripts/receipts/<service>/ という構成に進化した。
1サービス=1ディレクトリに、手順書(README.md)/自動化プロンプト(prompt.md)/ファイル検索(fetch.sh) の3つを閉じ込める。これが本リポジトリの設計上のコア。
このファイルが本リポジトリで 一番重要。法人で契約している SaaS は意外と多く、20〜30 個が毎月のクレカ明細に並ぶ。全 SaaS を表形式で書き出す。
記載するポイント
freeeカードUnlimitedを SaaS ごとに発行する
クレジットカードは freee カード Unlimited のバーチャルカードを SaaS につき 1 枚 発行している。
- →明細を見ただけでどのSaaSの決済か一発でわかる(カード名=サービス名)
- →freee の自動仕訳ルールが組みやすい(「このカード番号 = GitHubの支払手数料」)
- →解約時は該当カードだけ止めれば、不正請求リスクがゼロ
- →試用課金の解約忘れがあっても被害が最小
バーチャルカードを無制限発行できるカード(Upsider、バクラクカードなど)であれば代替可。
サービス別 md ファイルに書く項目
freee には自動仕訳ルール機能があるが、その手前の 「どの支出をどの勘定科目に振るか」というポリシー をドキュメント化しておくと便利。
税理士に「これ交際費?会議費?」と毎回聞くのは時間の無駄。自社ポリシーを明文化 しておけば、Claude Code に「この取引を仕訳して」と頼んだとき、このルールに従って勝手に仕訳を切ってくれる。
当初は手順書だけ書いていたが、Claude Code で実際に自動化を回すと手順書だけでは足りない。1サービス=1ディレクトリに3ファイル を閉じ込めた。
README.md:そのサービスの「全部」
月額/請求サイクル/決済カード/ログインメアド/請求書ダウンロード手順/wallet_txn の description/ハマりポイント/改善履歴を全集約。
prompt.md:Claude Code に渡す実行プロンプト
1コマンドで領収書取得から freee アップロードまで全自動で走る。プロンプトには次を含める。
- →freee API のクエリ(wallet_txn の取得条件)
- →既存ファイルの検索コマンド(fetch.sh 呼び出し)
- →不足月の領収書ダウンロード手順(claude-in-chrome / Gmail)
- →freee ファイルボックスへのアップロード条件
- →README.md の改善履歴への追記指示 ← これが地味に重要
fetch.sh:ローカル PDF を列挙
receipts/AWS/ を検索し、ダウンロード済み PDF を列挙。Claude Code はその結果を見て「この月は既にあるからスキップ」と判断する。
prompt.md の最後に 「README.md の改善履歴に、今回のセッションで発見したことを 1〜2 行追記せよ」 という指示を入れる。Claude Code が領収書取得を実行するたびに README.md が勝手に賢くなっていく。最初から完璧なドキュメントを書く必要はない。
30 個の SaaS を実際に自動化して気づいた。決済方式によって攻略法がまったく違う。新サービス追加時のアプローチ判断に直結する。
monthly-billing-check.sh ── 月次請求確認の自動化
毎月 freee カード明細を開き、各 SaaS の billing ページを見て、請求メール確認 → 領収書アップロード → 未対応タスクをメモする、という流れを1スクリプトに。
upload-receipts.sh ── 領収書一括アップロード
スマートEX のような大量 PDF を freee ファイルボックスへ一括アップ。「ダウンロードフォルダを空にする」月次作業が 1 コマンドで終わる。
freee-mcp で何ができるか
「freee 会計で status=1 の未処理 wallet_txns を全部取って、docs/freee-journal-rules.md のルールに従って仕訳して登録して」と頼むと、100 件の未処理取引が一瞬で片付く。人間は判断に迷う件だけ最終確認に集中できる。
注意事項
- !必ずテスト事業所で挙動を確認してから本番投入
- !仕訳登録前に必ず人間が目視確認(「ドラフト出力 → 人間確認後に登録」のステップを踏む)
- !freee-mcp の
tokens.jsonは gitignore 必須
請求書発行
docs/invoicing/ 配下に置くもの:
- →取引先一覧(partner_id、請求条件、締め日、支払サイト、振込先口座)
- →請求書テンプレの定型文
- →請求書発行チェックリスト(月末まとめ発行用)
- →過去の請求書発行履歴(どの月にいくら請求したか)
「docs/invoicing/partners.md の取引先に対して、2026-04 分の請求書を freee で作成して。金額はいつも通り。」
→ freee 会計の /api/1/invoices を叩いて請求書作成 → PDF 発行までやってくれる。
入金と請求の突合
地味だが重要な月次タスク。次の3工程を毎月手でやると本当にしんどい。
これがあれば「今月の入金を全部突合して仕訳切って、未入金の請求書リスト出して」で完結。未入金リストが出てきたら、そこから 督促メールのドラフト も作らせられる。
出張旅費規程の Excel
中小企業にとって出張旅費規程は 節税の強力な武器(規程に従って日当を払えば経費化+個人の所得税も非課税)。references/出張旅費規程/ に規程本体(Word/Excel)/日当計算 Excel テンプレ/過去の出張申請書・精算書/改定履歴を残す。「今回の京都出張の精算書作って」で規程を読み込んで金額計算してくれる。
法人借入の管理(信用金庫・日本政策金融公庫)
references/借入/ に返済予定表 PDF/借入契約書/各回サマリ(残高・金利)/月次の元利分離仕訳ルールを置く。元本返済(借入金)と利息(支払利息)の分離仕訳が毎月手作業になりがちなので、返済予定表から月次内訳を機械的に取り出せるようにすれば Claude Code に丸投げできる。
役員報酬
定期同額給与なので毎月同金額。docs/役員報酬.md に各役員の報酬額(源泉・住民税・社保・差引手取り)/改定履歴/月次仕訳テンプレを書く。決算期の役員報酬改定の経緯がわかって便利。
契約書・重要書類
references/法人書類/ に株主総会議事録/取締役会議事録/定款/登記簿謄本/事務所賃貸借契約書/社用車リース契約書を PDF 保管。税理士に「あれ出して」と言われて 5秒で出せる。
決算関連
docs/決算/<年度>/ に決算前チェックリスト/税理士への質問リストと回答/税務署提出書類のコピー/申告書 PDF。次年度の自分への申し送りとして最強。
docs/future-memo.md:未来の自分への申し送り
サービス横断の申し送りを 1 ファイルにまとめる。毎月頭にこれを見るだけで「今月対応すべきこと」が一発でわかる。Claude Code に「future-memo.md を読んで今月対応すべきタスクを洗い出して」と頼むだけでも運用可能。
プライバシーとセキュリティ
全体振り返り — 学んだことの全リスト
法人のバックオフィスは、毎月ほぼ同じ作業を繰り返すわりに、マニュアル化されていないことが多い。SaaS 一覧・領収書取得手順・仕訳ルールを Markdown で明文化し、月次処理を Claude Code × freee MCP で自動化する。これで月末月初に丸1日以上かかっていた作業が、数時間 + Claude Code に任せる時間で終わる。
節約できた時間は本業へ。さらに「あの書類どこだっけ」が起きないという 精神的安定 もバカにできない。一人社長や小さな法人ほど、バックオフィスのコード化の恩恵は大きい。
はじめの一歩は、private repo を1つ作って、README.md と references/services.md を書き始めるところから。